忍者ブログ
TWのPBWシルバーレインに参加している光狩・鎌夜の日記です。 興味の無い方は(といってもほとんどの方でしょうが)回れ右を推奨ですよ?
[51] [50] [49] [48] [47] [46] [45] [44] [43] [42] [41]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


~本業能力『聖杯探索』による三点観測法で特定されうる場所~

 春であるにも関わらず、その湖には、一本の「氷の道」が生じていた。
 そしてその道の上では、激しい戦禍が巻き起こっていた。
 氷の道を行く全身甲冑の騎士を取り囲むように襲い来る、緑色の液体怪物達。
 だが怪物達は、騎士がその詠唱兵器を振るう度に、次々と蒸発してゆく。

「無駄だ、『御神渡り(おみわたり)』も知らぬ貴様等異形に、俺は止められぬ!」
 裂帛の叫びと共に次々と異形を消滅させる騎士が、その時、ふと、足を止めた。
 背後を振り返ると、ひとりの少年が、騎士の後ろから、氷の道を歩いてきていたのだ。

『御神渡り。一般にはこの湖に氷が覆われる事によって生じる、ただの自然現象として知られる』
『だが真実は違う。御神渡りとは、かつて聖者がこの湖上に創造した、聖なる巡礼路の事を指す』
『聖者とは君の祖先の事だ、巡礼士総帥ランドルフ』

「知識を並べて悦に入るのが望みか? それとも、我と戦い灰燼と帰すのが望みか?」
 詠唱兵器を構え直すランドルフに、少年はかぶりを振る。
『知識も戦いも、所詮は真理の表層に過ぎない。真理を伴わぬ行為に意味などない。ランドルフよ、僕は君を諫めに来たんだ』
「貴様の戯言が、聖杯の導きに勝る理由など無い! そして知れ! ≪世界を救う≫以上の大義など、この世には存在しない!」
『この宇宙にとって最も自然な存在はゴーストだ。来訪者と能力者がそれに次ぐ。これらの種を滅ぼし、宇宙で最も不自然な、加護無しには生存すらできぬ脆弱な種を存続させる行為を≪世界を救う≫とは呼ばない。君のやっているのはただの≪侵略≫だ。大義でも何でもない』
「貴様は最早人では無いな? ならば貴様も滅ぼす! 覚悟せよ!」

『それは断る。何の益も無い』
 ランドルフが一撃を放とうとした刹那、少年の姿は突如掻き消えた。
 ランドルフは尚も少年を探そうとするが、聖杯の共鳴に引かれて考えを改め、御神渡りを再開する。
 氷の道はやがて湖底を貫き、緑色の液体で覆われた地底を貫いていた。
 ランドルフは、御神渡りによって穿たれたトンネルを通り、地下深くへと潜ってゆく……。

PR

コメント


コメントフォーム
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
  Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字


忍者ブログ [PR]
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
フリーエリア
最新コメント
最新トラックバック
プロフィール
HN:
光狩・鎌夜
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター